坊津は、遣唐使の発着地として知られ、
かって日本三津のひとつとして栄えた港です。多くの海外文化が流入した窓口でもあり、焼酎もそのひとつです。本格焼酎「坊津」は焼酎原料として最適のサツマイモである黄金千貫を使用し、昔ながらの甕仕込みでじっくり醗酵させ、蒸留して得られる原酒の旨味をそのまま残したこだわりの焼酎です。甕と熟練杜氏の醸し出す暖かな味わいをお湯割りでお楽しみ下さい。 (瓶の裏面ラベルより)
焼酎の原料となる 「甘藷」の別名が 「薩摩芋」であることからも分かるように、芋焼酎は薩摩藩の特産品でした。藩の領地の80%が火山灰で厚く覆われており、米の節約につながる芋焼酎造りの税金を免除したため、それ以前の米焼酎から急速に芋焼酎に転換していったそうです。「さつま白波」で有名な薩摩酒造の当主・本坊家が芋焼酎を造り始めたのは明治42年(1909)でした。そして昭和11年(1936)に株式会社化し、火の神蒸溜所、頴娃蒸溜所、塙蒸溜所と醸造蔵を増やしていきました。平成4年(1992)に花渡川のほとりに立つ創業以来の本社工場(花渡川蒸溜所)を、薩摩焼酎の資料館としての役割も併せ持つ持つ見学工場「明治蔵」として公開しています。
芋焼酎は、米焼酎と同じ蒸米と焼酎麹で仕込んだ醪に、蒸米のかわりに蒸したサツマイモを加えます。芋焼酎は、収穫期である8月から11月までしか造れない贅沢な飲み物といえます。焼酎蔵元は、その可能性を探るために原料の芋や麹・酵母を、また、江戸や明治時代の古式製法の再現などさまざまに研究を重ね、商品化に取り組んでいます。
「坊津」は、博物館的な位置づけを持つ「明治蔵」の謹製です。木の蒸留器、木の麹室など、昔ながらの木製道具を用い、水は蔵近くの良質な地下水を使用し、甕仕込みで、機械などに頼らない自然に任せる芋焼酎古来の製法で造られています。
薩摩酒造の明治蔵さんが謹製された古来の味を再現した芋焼酎「坊津」は、原酒の味をそのまま残すことに拘っており、まろやかで暖かみがあるなかにもキレがあり、ボディーもしっかりと感じられる焼酎です。瓶ラベルにはお湯割りを勧めていますが、ストレートやロックで楽しんだほうがより味わいが感じられるような気がします。
銘柄:坊津
かな:ぼうのつ
原料:甘藷(鹿児島県産)・米麹(国内産米)
使用麹:白麹
蒸留方法:常圧
アルコール度数:25度
貯蔵方法:ホーロー
熟成期間:
容量:1,800ml
価格:2,625円
蔵元:薩摩酒造株式会社 明治蔵
郵便番号:898-0025
住所:鹿児島県枕崎市立神本町26番地
電話番号:0993-72-1231
FAX番号:0993-72-5554